アメリカには世界トップレベルの大学を含む数多くの大学が存在します。四年制大学と二年制のコミュニティカレッジを合わせると、その数は約4700校にもなります。アメリカの大学に入学するために現地の学生と留学生共に利用しているのが、大学編入制度です。今回は、アメリカの大学の編入制度について、単位制や単位移行のシステム、出願に必要な書類、おすすめのコミュニティカレッジや大学などの情報をご紹介します。
アメリカの大学では編入制度の利用が一般的
アメリカの大学に入学する際、他の大学やコミカレから違う大学へ編入することは、一般的です。アメリカ人学生から日本を含む世界の留学生まで多くの学生が編入制度を利用しており、学士号取得を目指しています。日本では1つの大学に4年間在学し卒業するのが一般的ですが、アメリカでは大学編入も人気があります。
その理由の1つにアメリカの大学は単位制や学期制で運営されており、世界中の大学への単位移行も可能なことです。また、アメリカでは卒業した大学が高く評価されるため、よりレベルの高い大学や好みの大学に編入する学生も多いのです。
アメリカのコミュニティカレッジの単位について
卒業までの単位数目安
アメリカのコミュニティカレッジを卒業する場合、必要な単位数の目安は約60単位です。日本の大学など他大学からコミカレに編入する場合は、基本的に約30単位を認められます。30単位を認めてもらえたら、単位移行後はコミカレでフルタイム学生として授業を履修することで、約一年後に卒業できます。つまり、二年間でコミカレを卒業するためには、一年間で最低30単位を完了することが必要となります。
アメリカの四年制大学の単位について
卒業までの単位数目安
アメリカの四年制大学を卒業するためには、最低120単位を完了することが必要となります。これは、日本の大学から移行された単位との合算でも問題ありません。四年制大学が他大学から受け入れる単位は60〜80単位程で、コミカレや他大学から移行された単位もカウントされます。
四年制大学に三年次に編入した場合、年間最低30単位を履修することで、2年で学士号を取得することができます。
学年の決まり方
単位数 | 学年 |
---|---|
0~30 | 1年生 |
31~60 | 2年生 |
61~90 | 3年生 |
91~120 | 4年生 |
アメリカの四年制大学は、基本的に履修した単位数によって学生が決まります。0から30単位は一年生、31から60単位は二年生、61から90単位は三年生、91から120単位以上で四年生となります。そのため、在学年数では学年は決まらないため、早いペースで単位を履修し三年で学士号を取得する人は、学年も早いペースで変化します。
逆に通常より遅いペースで単位を履修する人は、大学に4年間すでに通っていても完了単位数が85だと、まだ三年生ということになります。
単位移行について
単位移行の手続き方法
他大学から単位を移行する場合、単位移行の査定は、最終的に編入先のRegistrar’s Officeの判断になります。出願前に大学に問い合わせれば、日本の大学で履修した単位を暫定査定してくれるところもあるようですが、基本は出願時に授業のシラバスなどの書類を提出することによって公式に査定されます。
また、州立大学の方が審査が厳しい傾向があるため、州立大学に編入希望の人はまずコミカレに編入し、そこから四年制大学を目指すことも可能です。
単位移行の主な条件
単位移行のために満たさなければいけない条件はいくつかあります。1つ目は、大学の一般教養要項を全て満たしていることです。一般教養は専攻に関わらず、基本的にどの大学でも要求されるため、受け入れられやすい単位としても知られています。
もう1つ大切な条件は、B以上の成績を維持しているということです。Bよりも低い点数を取ってしまうと成績や編入に影響するため、編入前に大学で低くてB、できればAを維持していることが重要です。
編入に必要な書類
日本の大学の英文成績証明書
日本の大学からアメリカの大学に編入する場合、英文成績証明書がまず必要です。しっかり英語に訳された書類である必要があり、大学に申請すれば作成してくれるところが多いです。アメリカの大学に編入する際に、アメリカ人でも留学生でも必ず見られるのが成績なので、日本の大学でできるだけ良い成績を残しておくと編入を実現できるチャンスが上がります。
英語力証明書(TOEFL, IELTSなど)
アメリカの大学に編入する際に必要な書類2つ目は、英語能力証明書です。英語力証明書は、TOEIC、英検など様々な種類がありますが、アメリカの大学に進学するためにおすすめなのは、TOEFLまたはIELTSのスコアを取得することです。この2つの英語試験は、アメリカの多くの大学で英語能力証明として認められているため良い選択肢です。
(学校、専攻によっては)高校の英文成績証明書、エッセイ、推薦状など
アメリカの大学に編入する場合、学校や専攻によっては、高校の英文証明書やエッセイ、推薦状などが必要です。高校の英文成績証明書は大学に編入する場合も求められるケースがあります。エッセイは決まったトピックについて記述するものや複数の種類のエッセイを要求する学校もあります。推薦状も専攻や大学によっては求められる場合があります。
編入におすすめのコミュニティカレッジ/大学
エル・カミノカレッジ
エル・カミノカレッジは、カリフォルニア州トーランスにあるコミュニティカレッジです。こちらの学校は、ロサンゼルス周辺で四年制大学の編入制度が充実しているコミカレの1つで、留学生用オフィスがあるため在学中も様々なサポートを受けられます。
入学基準も他のカリフォルニアのコミカレの中でも易しい方で、入学に必要なTOEFL IBTのスコアは45となっています。そのため英語力が高くなくても入学できます。UC系列やカリフォルニア州立大学などへの編入保証制度などが整っているのも魅力で、ロケーションも日系企業やスーパーが充実しているエリアのため生活しやすい環境も嬉しいポイントです。
オレンジコーストカレッジ
オレンジコーストカレッジは、ロサンゼルス南東のコスタメサにあるコミュニティカレッジです。こちらの学校は、四年制大学への編入率が高いことで知られており、多くの学生がUC系列、カリフォルニア州立大学、私立大学などに編入しています。
コミカレでは珍しく学生寮を完備しており、治安の良いエリアでもあり、日本人アドバイザーが在籍しているなど日本人留学生にも人気な学校です。クラブ活動などが充実しているため、大学編入の際に自分をアピールするための課外活動の実績を作りやすいも魅力です。
サンディエゴ州立大学
サンディエゴ州立大学は、カリフォルニア州サンディエゴにある州立大学です。こちらの大学は四年制大学でありながら少人数制の授業を実現している大学であり、190種類の学士号プログラムを提供しています。大学一二年次に、こちらの大学に編入する際は、オンキャンパスレジデンスで生活するため、アメリカの大学ライフを満喫することができます。
四年制大学ということもあり、入学基準は高めですが、その分入学時から品質の高い授業を受けることができます。留学生のために作られた学士課程進学パスウェイプログラムを利用すれば、語学コースから通い始め、後に学術プログラムに参加することができます。
まとめ
アメリカでは大学編入することは一般的なので、日本人留学生も挑戦しやすいです。今回は、日本の大学からアメリカのコミュニティカレッジや大学に編入するために必要な単位や学年の決まり方、必要書類、編入におすすめの大学などをご紹介しました。