アメリカ中西部に位置するシカゴは、全米の人口ランキングでトップ3に入る大都市です。シカゴでは、西海岸や東海岸の海に面した都市とは違った文化や雰囲気を感じられ、日本人留学生が比較的少ないのにも関わらず、交通網や経済が発展しており暮らしやすい環境が整っています。今回は、シカゴ留学について知っておきたい基本情報、費用目安、滞在方法からシカゴに留学するメリット、デメリット、シカゴ留学の適性、お勧めの語学学校や大学を解説します。
シカゴの基本情報
シカゴの面積と人口
イリノイ州に位置するシカゴは、2020年時点で人口が約270万人を超える大都市です。ニューヨークとロサンゼルスに続く人口を誇っていおり、シカゴ市内の人口は、約45%が白人、約30%が非ヒスパニック、約30%がアフリカ系アメリカ人、約25%がヒスパニック系、約5%がアジア人で構成されています。シカゴの総面積は606.1平方キロメートルとなっています。
シカゴの地区・エリア情報
シカゴには主に9つの地区があります。セントラルは高層ビルが立ち並ぶ経済中心エリアで、その北部に多様な食文化を楽しめるノースセンター・リンカンパークがあります。文化的な雰囲気のあるアップタウンやシカゴ大学が位置するハイドパーク・サウスサイドエリアなどもあります。高級住宅街のファーウエストサイド、自然豊かなファーノースウェストサイドの住宅街、セントラルに隣接するニアウエストサイドの住宅街、南部にも広大な住宅街が広がっています。
シカゴの物価
アメリカは全体的に日本よりも物価が高い傾向がありますが、シカゴも物価が高い都市の1つです。2020年には、アメリカの75都市を対象とした物価の高い都市ランキングでシカゴは15位にランクインしました。しかし、ニューヨークやサンフランシスコなどに比べると、シカゴの物価は安いため、アメリカの大都市の中では物価が安いのが特徴です。
シカゴの気候
シカゴは亜寒帯湿潤気候に属しているため、年間の気温差が激しいのが特徴的です。特に夏と冬の気温差が激しく、一番暑くなる7月が平均23度で、一番寒くなる1月が-4度になります。東京の気温と比べても、年間を通して寒く感じるのがシカゴの気候です。また、シカゴは風の都市と呼ばれるほど風が強いことで有名です。
日本からシカゴへの移動
日本からシカゴへのアクセスは、直行便と乗り継ぎ便から選べます。羽田空港、成田空港共にシカゴオヘア空港に直行便を出しており、約12-13時間のフライト時間で到着できます。ANAやJAL、ユナイテッド航空などが直行便を出しています。乗り継ぎ便の場合、ロサンゼルスやサンフランシスコなどのアメリカの主要都市やカナダやドイツを経由する便なども利用できます。
シカゴ留学のメリット5選
1. 大都市なのに物価が安め!
シカゴは上記した通りアメリカで3番目に大きい都市ですが、それにしては物価が安めなのが特徴です。アメリカは全体的に物価が高いですが、シカゴは西海岸や東海岸の大都市と比べて、現地の出費を抑えることができます。シカゴなど中西部の都市は家賃が低めで、特に外食費や食品は物価が安い傾向があります。留学中にできるだけ節約をしたいけど、大都市で生活したいという人に魅力的な環境です。
2. 四季を感じられる気候!
シカゴは、他の都市と比べても四季をはっきり感じられるのもメリットです。一年の気温の変化によって木々の色の変化やイベントを楽しむことができます。夏は暑さと湿気があり、冬には雪が降ります。春と秋は過ごしやすく、観光や留学に人気のあるシーズンです。西海岸の都市の多くは四季がなく、東海岸でも雪が降るほど四季の変化が激しい都市は多くないので、シカゴでははっきりとした季節の変化を楽しめます。
3. 移動しやすい街!
シカゴ留学の大きなメリットは、交通網が整っているため移動がしやすいことです。シカゴにはCTAという地下鉄やバスなどがあり、歩行者も多い街です。市内やシカゴ周辺エリア、東海岸の大都市などへの交通アクセスが良く、滞在先によっては車がなくても生活することが可能です。アメリカは多くの場所が車社会ですが、シカゴのような交通網が整っている都市は貴重なため、留学先に非常に向いています。
4. 日本人が少ない
シカゴは、日本人率が低いアメリカの大都市の1つです。ニューヨークに日本人が6万人以上在住しているのに対し、シカゴ在住の日本人の数は3000人以下です。普段の生活でも日本語を聞くことはほとんどなく、留学中は英語漬けの生活に浸ることができます。必要であれば日本人コミュニティを探すこともでき、日本食が恋しくなれば、日系スーパーを利用することもできるため、日本文化とアメリカ生活のバランスをとりやすい都市です。
5. 都会だけなく自然も楽しめる!
シカゴは、高層ビルが立ち並ぶ大都市ですが、自然を身近に感じられるのも特徴です。シカゴは、五大湖の1つであるミシガン湖畔に位置しているため、湖へのアクセスも良く、シカゴ川を眺めることもできます。シカゴはインディアナ州に近いため、インディアナの国立公園にアクセスすることもできます。他にも郊外には州立公園が複数あり、自然アクティビティ好きにもぴったりな都市です。
シカゴ留学のデメリット3選
1. 治安が良くないことで知られてる都市
シカゴは治安が良くないことで有名で、犯罪率や事故率が非常に高いです。鉄格子が付いている建物や道端にホームレスを見ることも少なくありません。特にダウンタウンより南部は危険エリアとして知られており、極力避けるのが大切です。トラブルを避けるためにも、目立った格好を避け、治安の良いエリアで行動し、所持品を前に抱えて、ながら行動をしないなどの対策を立てることが大切です。
2. 寒さがきついと感じる人も
シカゴの冬は氷点下になることもあるため、寒さの厳しさがデメリットとして挙げられます。雪が降るほどの寒さに慣れていない人は、シカゴ生活が辛いと感じることもあります。そのため、外出時の防寒対策は必須です。特に12月から2月は、コート、手袋、帽子、マフラーなどで防寒をしっかりするのがおすすめです。冬は室内アクティビティが自然と多くなるため、覚悟しておくと良いでしょう。
3. 騒音やビル風が強い
シカゴでは多くの人が暮らしているため、その分都会の騒音が気になる人もいるでしょう。街の中心街に滞在する場合は特に騒音問題に悩まされることもあります。大都市生活ならよくあることかもしれませんが、慣れていないと睡眠の質やストレスに影響が出てしまいます。また、シカゴは風が強いため、高層ビルの間はビル風の影響で非常に寒く感じることもあります。
シカゴ留学はこんな方におすすめ
シカゴ留学が向いている人は、都会生活を送りながらも少しでも生活費用を抑えたい人、日本人が少ない環境で勉強に集中したい人、雪の降る都市で生活してみたい人、寒さに耐えられる人、西海岸や東海岸のような定番の留学先でなくユニークな体験をしたい人、交通網が整っている街に留学したい人、治安の面で周りに注意して生活ができる人などが当てはまります。
シカゴでの滞在方法
ホームステイ
留学中の滞在方法として人気が高いホームステイでは、現地の家族の家に住まわせてもらう方法です。アメリカ人家族のホストファミリーはもちろん、他にも移民や国際式豊かな家族の家で、現地生活を体験できます。英語環境に浸ることができる上に、ホストファミリーによってはスペイン語や他言語を話す場合もあるため、複数の文化や言語に触れられる場合もあります。食事付きのホームステイを選ぶと、毎日の食事に困ることなく生活できます。
シェアハウス
シカゴエリアでシェアハウス生活を送ることもできます。シェアハウスは、あらゆるバックグランドの人々と共同生活をしながら、自炊などホームステイよりも自由が広がる滞在方法です。ホームステイよりも、家賃が安い場所が多く、シカゴ中心地から郊外まで住める範囲も幅広いのが特徴です。留学中に現地のコミュニティやインターネット情報を利用して部屋を探す人が多い滞在方法です。
一人暮らし
より自由な生活を送りたい人は、シカゴで一人暮らしをすることを検討してみるのも良いでしょう。アパートなどで一人暮らしをすれば、同居人に気を使う必要がなく、ルールにも縛られることがないため、一人の時間を大切にしたい人にぴったりな方法です。こちらの滞在方法は、他の方法と比べると難易度が高く、全てのアパートが留学生に部屋を貸すことに良心的ではないため、手続きが複雑なケースも存在します。
シカゴ留学の費用目安
語学留学
シカゴの語学学校に通う際にかかる費用は1ヶ月76万円ほどが平均的です。こちらの費用は、学費、学校関係費用、滞在費、ビザ関連費、食費、通信費、交通費、個々の出費、海外旅行保険代、航空券代を含んだ見積もりとなっています。航空券などは時期によって金額に差が出やすく、生活スタイルやプログラムによっても金額が多少変わります。一年間でかかる平均費用は640万円ほどとなります。
カレッジ留学
シカゴがあるイリノイ州のコミュニティカレッジに通う場合、春と秋学期の9ヶ月間でかかる費用は 300万円ほどと見積もっておくと良いでしょう。これは、授業料、滞在費、食費、
交通費、教材費、個人の出費が含まれています。航空券や海外旅行保険代、ビザ費用など渡米前の準備金は含まれていないため、渡米後にかかる金額となっています。夏や冬に単位を履修する場合は追加で費用を見積もっておきましょう。
大学留学
シカゴの大学に正規留学する場合、州立大学の春と秋の二学期で600万円ほどかかるのが一般的です。授業料が約430万円、滞在費が150万円、食費が45万円ほどかかります。私立大学に留学する場合は、授業料がより高くなるため考慮しておくことが大切です。提示した金額は夏や冬の期間の費用が含まれていないため、一時帰国しない場合は追加で費用がかかります。
シカゴで人気の語学学校
Kaplan シカゴ校
Kaplanはアメリカを拠点とする大手語学学校で、シカゴにもキャンパスがあります。こちらの学校は、政府教育団体であるACCETに公式に認定された語学学校です。校内施設が充実していて、最新のテクノロジーを搭載した教室やコンピュータールーム、学生ラウンジなどがされており、学校専用の学生寮で多国籍の人々と交流できるのも嬉しいポイントです。カレッジ・大学進学サポートも手厚く、100以上の提携校があります。
シカゴで人気の大学3選
University of Illinois at Chicago
イリノイ大学シカゴ校は、全米公立大学ランキングでトップ25に入る名門州立大学です。多国籍・多言語が交わる大学で、化学や研究分野に強い大学としても有名です。学生数は約3万人、留学生は約4000人在籍しています。学生と教授の割合が18対1と小さい割合で生徒と教師が交流しやすい環境があります。留学生向けのUIC Globalセンターがあり、学術アドバイスや計画、社交、就職活動など様々な面でサポートしてくれます。
Roosevelt University
ルーズベルト大学は、シカゴエリアに2つのキャンパスを持つ私立大学です。大学名はフランクリン・ルーズベルト大統領から付けられています。125以上の学士・修士プログラムがあり、社会学のプログラムが特に高く評価されています。インターンシップやボランティアの機会が豊富で、シカゴ市内のキャンパスの近くにはレストランや美術館、ミシガン湖があり、都会の便利な留学生活を楽しめます。
Concordia University Chicago
コンコーディア大学シカゴ校は、私立リベラルカレッジで150年以上の歴史を持つ大学です。大学の規模が小さめで全校生徒数は5300人ほど、リベラルアーツ分野と修士号に定評がある学校です。最短1年で修士号を取得できるプログラムもあり、短期の大学院留学にも最適です。キャンパスは、シカゴ郊外の住宅街に位置しており、静かでより自然を身近に感じられる環境の中にあります。
まとめ
大都市でありながらアメリカ内陸部の生活を体験できるシカゴ。大都市でありながら日本人が少ないため、都会で英語勉強に浸りたい人には最適な留学先です。