日本の大学に在籍しながらアメリカの大学に通い単位を取得できる学部聴講や認定留学をすることが可能です。学部聴講とは日本の大学に在籍中に渡米し、現地の大学生と同様に授業が受けられます。
その場合、アメリカの大学の学部聴講の制度にもよりますが、単位を取得して日本の大学へ移行することができる場合があるので確認しておくことが重要です。その他に認定留学制度が日本の大学に設けられ、協定を結んだアメリカの大学へ1年間留学をして単位を取得し日本の大学へ移行することができます。
ここではアメリカのカレッジや大学へ学部聴講するための知識を学び、入学条件や費用、大学の特徴などを交えて解説していきます。
目次
学部聴講とは?
学部聴講は日本の大学などに在籍しながら、海外の現地の学生たちと一緒に授業を受けられる制度です。現地の大学で取得した単位は、自分が在籍する日本の大学に単位を移行できる場合があります。学部聴講は日本の大学の専攻との関連性は求められず、アメリカ留学ならではの専攻を選択することが可能です。
そのため、自分の専攻とは全く異なった分野の授業を受けたり、興味がある授業を選んで受けることができます。なお、渡米前に自分が通う大学で、事前に単位の移行が可能かどうか、確認しておくと良いでしょう。また、日本の大学側と協定を結んでいるアメリカの大学なども調べておくとスムーズに学部聴講を受講することが期待できます。
アメリカの大学で学部聴講する3つのメリット
①英語+学部聴講でワンランク上の留学
アメリカの大学のエクステンションや付属語学学校では、正式にアメリカの大学に入学許可を得ることなく現地の学生同様に授業を受けることができる場合があります。大学付属の語学学校で英語の基礎能力を身に付け、現地の学生と一緒に授業に参加し、ワンランク上の留学体験を味わうことが可能です。
現地の大学の雰囲気や醍醐味を感じながら本場アメリカ生活をエンジョイしたり、大学の施設を利用したり、クラブやサークル活動などに参加して、日本では体験できないキャンパスライフが楽しめます。現地の学生と授業を受けられる英語力があれば、一度は体験してみるべき学部聴講です。アメリカ留学で語学を学び、実践的で応用的にアメリカ大学の学部聴講を受講することで、日本では味わえないキャンパスライフを堪能できます。
②単位認定留学として認められる
アメリカの大学で学部聴講をすると単位が取得できる場合があります。日本の大学に在籍しながらアメリカの大学付属の語学学校へ通い、興味がある学部聴講を行い単位取得し成績証明書を発行してもらえれば、日本の大学へ提出することが可能です。認定留学は日本の大学側と協定を結んでいるアメリカの大学へ留学できる制度になります。通う大学側により異なりますが、認定留学は日本の在籍大学と協定を結んでいない大学へも通うことが可能です。
しかし、協定を結んでいないアメリカの大学へ留学する場合、単位の移行ができない可能性もあるので注意が必要になります。なお、認定留学は日本の大学に在籍している状態なので、事前に大学側へ申請を行ってから決めましょう。また、日本の大学に在籍中の扱いになるため、学費などを負担する必要がある場合があります。認定留学は約1年間を目安にしていることが多いです。
③現地学生との交流
アメリカの大学へ学部聴講で留学を行うと現地の学生との交流が盛んになります。アメリカの大学は規模や敷地面積も広く、世界中から集まった学生が個々の専攻の授業に参加しておりさまざまな国籍を持つ学生たちとコミュニケーションを図る機会が多いです。そのため、授業を通じ友達になった生徒たちと仲良く食事をしたり勉強をしたり、遊んだりして過ごすことが多くなります。
また、困ったことがある場合など気軽に現地の学生に相談することも可能です。同じ大学へ通う学生としてさまざまなイベントへの参加ができます。特に放課後や週末など、専攻分野を超えた交流で異なった文化や考え方を身に付けるチャンスです。
アメリカ大学で学部聴講する3つのデメリット
①費用が高い
アメリカ大学の学部聴講プログラムは通常の語学留学と比べ費用がかかります。特にアメリカの大学は2学期制のセミスターや4学期制のクォーター制と呼ばれる期間の中で授業が行われるからです。語学留学のように短期間での学部聴講のプログラムはなく、現地の学生と同じ方法で授業を受けなければなりません。通常の年間費用は$10,000~$20,000程度です。
②入学可能日が決まっている
アメリカの大学は年間を通じて入学可能日が設定されています。例えば、Spring セミスターの場合は1月から5月までの期間を指し、Fallセミスターであれば9月から12月までの期間です。この期間は大学により異なり、2学期制と4学期制で入学期間はさまざまになります。そのため、入学可能日までに出願届けを提出する場合は、3か月程度前までに行うことが必要です。
③英語力や成績の条件がある
アメリカ大学の学部聴講の条件はTOEFL45~80、もしくはIELT5.0~5.5以上の英語力を求めるところが多いようです。また、高校や大学での一定以上の成績を満たす必要がある場合があります。これらの条件は通う学部聴講の大学によっても異なるので、事前に調べておくことが重要です。
アメリカの大学で学部聴講する際の入学条件は ?
アメリカの大学の多くは、日本のように全国一斉の入学試験はありません。大学の学部聴講は現地の学生と同じように授業が受けられるため、入学を希望する大学の審査が通れば、だれでも入ることが可能です。なお、アメリカは数多くの大学機関があり入学条件も各校により異なります。
大学付属の語学学校などを通じて大学に入学する場合は正式に出願を提出して入学許可を得なくても学部聴講プログラムを受けられる場合があり事前に確認しておくことが重要です。アメリカの大学入学条件を知るには希望する大学側の基準を確認しておくことが求められます。
アメリカの大学で学部聴講する際の費用
アメリカの大学学部聴講の費用は受講する大学により異なりますが1学期あたり、およそ$5,000~$8,000必要です。大学学部聴講の費用以外に滞在費として宿泊費や食事代など生活に欠かせない費用が発生します。滞在費用としては$1,500~2,000/月程度必要です。
また、事前に英語力を身に付けるために語学学校に通うのであれば、別途授業料が必要です。大学付属の語学学校であれば、英語の学習と組み合わせて大学の学部聴講を受けることもできる場合があります。
アメリカの大学で学部聴講する2つのプラン
①語学学校からカレッジへ入学
EC・Kaplan→SMC
入学条件
SMC(サンタモニカカレッジ)は語学学校で英語コースを受講することにより条件付き入学が認められています。出願に必要な英語力が足りなくても、語学学校での英語コースで規定レベルを修了すれば英語スコアを提示しなくてもSMCへの進級が可能です。Kaplan校からであればHigher Intermediate Levelで条件付き入学が認められます。英語試験のスコアではTOEFL45+、IELTS:Band5+、Duolingo80+などです。
学校費用
語学学校の授業料は週あたり$500前後が目安です。SMC(サンタモニカカレッジ)は2学期制をとっており、1学期(12単位)あたり$4,632になります。この他に学校費用として保険や教材費などが必要です。なお、語学学校(4カ月)$8,000程度とSMCの1学期の授業料$4,632を組み合わせた合計金額$12,632以上が1年間の目安の学校費用になります。
学校の特徴
SMC(サンタモニカカレッジ)は日本人に最も人気があるコミュニティーカレッジでロサンゼルスの中心地に位置しており、とても穏やかな気候です。カレッジ周辺にはきれいな海やモール、ショップなどがあり過ごしやすいエリアになります。SMCはUCLAへの進学数が全米でトップクラスです。UC系の大学へ進学ができ、UCLAへの編入数も1位を誇ります。専門分野も学べるコミュニティーカレッジとして人気です。
EC・Kaplan→De Anza
入学条件
De Anzaは語学学校からの条件付き入学が認められた大学です。Kaplanからは上級レベルでDe Anzaへ入学する場合は海外大学出願サポートを利用することで条件付き入学ができます。ECは中上級B2程度からDe Anzaへ条件付き入学が可能です。また、英語力としてTOEFL61、IELTS6.0、iTEP4.0、英検2級A程度以上が基本的な入学条件になります。
学校費用
語学学校の授業料は週あたり$500前後が目安です。De Anzaは4学期制をとっており、年間の授業料は$9,720程度かかります。その他に学校での費用として医療保険$1,728、教材費$1,500など必要です。なお、語学学校(4カ月)$8,000とDe Anzaの1学期の授業料$3,237を組み合わせた合計金額$11,237以上が1年間の目安の学校費用になります。
学校の特徴
De Anzaの特徴は準学士課程やサティフィケートで数多くのコースを提供しており、特にアニメーションに対する評価が高く、映画やテレビ制作、ゲーム産業で多くの卒業生が活躍をみせています。サンフランシスコ郊外にあるキャンパス周辺はショッピングモールなどもあり比較的に賑やかな雰囲気で、近くにはサンフランシスコ国際空港やサンノゼ空港があり交通の便が良いです。
EC→Grossmont
入学条件
Grossmontは条件付き入学が限られており、ECで英語を学びTOEFL45もしくは、IELTS4.5以上のスコアがあれば入学可能です。また日本で英検2級Aを保有していれば、現地で英語を学び入学することができます。語学学校からの進学は設けられていないので、英語試験のスコアを取得してから入学になるので、予めEC校で確認しておくと良いでしょう。
学校費用
語学学校の授業料は週あたり$500前後が目安です。Grossmontは2学期制をとっており、年間の授業料は$9,116(健康保険料と学生代表費込み)程度と教材費として$1,750程度かかります。なお、語学学校(4カ月)$8,000とGrossmontの1学期の授業料$5,433を組み合わせた合計金額$13,433以上が1年間の学校費用になります。
学校の特徴
カリフォルニア州のサンディエゴにあるコミュニティーカレッジで、温暖な気候のもと観光地や都市部に近く過ごしやすいエリアです。キャンパス内は日本人も少なく費用を抑えながら勉強できる環境が整っています。大学は数多くの専攻を提供しながら4年制大学への編入に強いです。また課題活動も充実しておりさまざまな体験ができます。留学生にも親切で学びやすい環境が整っています。
Kaplan→Seattle college
入学条件
Seattle collegeは入学の際に必要な英語力などの条件はありません。語学プログラムから入学を希望する場合はTOEFLやIELTSなどの英語試験のスコアの提出不要で入学可能です。KaplanからSeattle collegeへ入学を希望する場合は基礎的な英語力をつけてから海外大学出願サポートを利用すると良いでしょう。
学校費用
語学学校の授業料は週あたり$500前後が目安です。Seattle collegeは4学期制になっており、年間の授業料は$12,810(1学期12単位)、教材費$897、保険$1,254程度かかります。なお、語学学校(4カ月)$8,000とSeattle collegeの1学期の授業料$3,740を組み合わせた合計金額$11,740以上が1年間の目安の学校費用になります。
学校の特徴
Seattle collegeはワシントン州のシアトル市内のダウンタウンにあり、都会と自然の両方を体験できる立地にあります。キャンパス内は安全でフレンドリーな雰囲気の中で伸び伸び学ぶことが可能です。良心的な授業料で、100以上の専攻分野から好みに合わせて授業を選択することができます。自然豊かなシアトルです。コミュニティーカレッジの中でも質の高い授業と設備が整った大学として評判があり、4年制大学への編入にも力を注いる大学です。
②大学へ直接入学
California State University EAST Bay
入学条件
California State University EAST Bayの大学授業履修プログラムへ直接参加する条件はTEFL(iBT)71以上もしくはIELTS6.0以上、Duolingo English Test100の英語試験のスコアレベルが求められます。なお、大学授業履修プログラムへ参加できる英語レベル条件を満たしているか判断できない場合はプログラムアドバイザーにお問い合わせすることが可能です。
学校費用
California State University EAST Bayは3学期制(1学期4カ月)をとっており、学部授業(12単位)1学期あたり$4,693、修士授業(9単位)$4,093程度です。なお、目安となる生活費は1学期あたり$9,500、健康保険料$838で生活費には家賃や食事、教科書代等が含まれています。なお、留学生も利用できる学生寮が完備されており、費用を低く抑えたい学生におすすめです。
学校の特徴
California State University EAST Bayはサンフランシスコベイエリアにある国立大学で、多くの企業が集中する立地にあります。国立大学ならではのリーズナブルな授業料で教育の質が良いのが特徴です。また、企業が多く集中するエリアを活かしたインターンシップや就職の機会に恵まれています。シリコンバレーにも30~40分程度で行ける理想的なロケーションです。
Washington State University
入学条件
Washington State Universityの入学条件は高校の成績GPA2.7以上で英語試験のスコアTOEFL79、IELTS6.5、Duolingo105以上で入学が可能です。また、ワシントン州立大学ではブリッジプログラムと言われる学部課程への進学準備を提供しているコースがあり、GPA2.5以上を取得すれば、大学へ進学することができます。また、在籍中の大学からの推薦でも交換留学として大学学部聴講を受けられます。
学校費用
Washington State Universityは2学期制をとっており、1学期(12~18単位)あたりの授業料(諸経費込み)は$14,192で年間の授業料$28,384、教材代$762、医療保険$2,296程度かかります。その他、滞在費などの生活費$16,476程度かかりますが、年間合計$50,023程度必要です。また、学生レジデンスも用意されているので、滞在費を抑えた場合は利用すると良いでしょう。
学校の特徴
Washington State Universityは地元密着型の大学で地元の学生が多く集まり、100ヵ国以上から留学生を受け入れているので国際色豊かなキャンパです。最も古い大学で多くの分野で全米トップクラスの教育を行っている名門州立大学になります。ワールドクラスの実績を持つ教授を多く抱え教育内容や研究成果は世界中から注目を集めている大学です。
まとめ
アメリカのカレッジや大学で学部聴講を受けるには、事前に日本の大学側へ確認をして申し込む必要があります。アメリカの大学へ学部聴講するには授業の受講に必要な基礎英語力を身に付け、受講する大学の入学条件の一つである英語試験のスコアを保有していることが前提です。また、認定留学を選択する場合はアメリカの大学が、在籍中の大学側と協定を結んでいるかの確認をしておく必要があります。アメリカでの学部聴講は希望する学生により、さまざまなメリットがある一方、デメリットもあるので、事前にある程度調べておくと良いでしょう。アメリカの大学の学部聴講を受講する方法は2種類あり、一つ目は事前に語学学校へ通い、英語力を身に付けてから受講する方法、もう一つは直接、アメリカの大学へ入学して学部聴講を受講する方法です。アメリカの大学側も留学生を対象に、さまざまな取り組みで世界中から学生を集めています。