アメリカの大学の入学方法を徹底解説。主な評価項目や入学条件。


アメリカの大学への入学方法は1つとは限らず、様々な方法があります。アメリカのどのエリアに留学するのか、私立大学、州立大学どちらに入学するのかによって、入学方法や必要書類が異なります。今回は、そんなアメリカの大学への入学方法について、アメリカの大学の特徴と入学方法の種類、必要な書類や合格するために必要な英語能力、費用、出願時期、おすすめの入学方法などについてご紹介します。

アメリカの大学の概要

アメリカには主に4つの種類の大学またはカレッジが存在します。2年制大学のコミュニティカレッジ、四年制の州立大学、四年制の私立総合大学、小規模な私立四年制大学のリベラルアーツ・カレッジがあります。アメリカの大学は単位制で、日本の大学と比べて入学は優しく卒業が難しいとされています。

アメリカの大学への3つの入学方法

①直接入学

アメリカの大学に入学する方法1つ目は、四年制大学に直接入学する方法です。こちらの方法は、私立大学や西海岸以外の大学への入学する際の方法として主流です。大学にもよりますが直接入学の場合、入学基準が高めに設定されており、編入システムを利用しないため、四年間の合計の学費が高くなる傾向があります。

②日本の大学から編入

2つ目の入学方法は、日本の大学で一部の単位を履修した後にアメリカの大学に入学する方法です。こちらの方法では、日本の大学で一般教養などの単位を取得しておいて、その単位をアメリカの大学に移行することでアメリカの大学への入学が可能となります。単位移行が受理されるかどうかは出願する大学によって異なるため、日本の大学在学時からリサーチをしておくと良いでしょう。なお、出願後に移行可能単位数が正式にわかることが多いです。

日本の大学からアメリカのコミュニティカレッジ/大学に編入する方法

③コミュニティカレッジからの編入

アメリカの大学への入学方法3つ目は、コミュニティカレッジから四年制大学へ編入する方法です。こちらの方法は、特に西海岸の大学に入学する時に便利な方法で、カリフォルニア州やワシントン州などは特に編入制度が整っています。主に州立大学への編入を目指す学生が多いですが、一部の私立大学で編入制度を受け入れているところもあります。

アメリカ留学するならコミュニティカレッジから大学編入がおすすめ

日本の大学のような試験はない

アメリカの大学に入学する際に、日本の大学への入学と異なる点は、全国一斉の入学試験がないことです。学部入試や大学それぞれの入試もないため、一発の試験の結果に左右されずに出願することができます。試験がないため、入学評価基準は主に書類審査となり、基準も大学によって異なるため、偏差値なども存在しません。

7つの評価項目

①高校の成績

入学安否の評価基準の1つ目は、高校在学時の成績です。成績は多くの大学で非常に重要視され、高校三年間の成績が評価されます。この成績の値(GPA)は、アメリカの高校では4段階評価ですが、日本の5段階評価の成績を提出することも可能です。アメリカの大学に入学を果たすには、最低平均5段階中3以上をキープしておいた方が良いでしょう。

②課外活動

アメリカの大学に入学する際、高校時代やコミカレ・日本の大学在学時の課外活動歴も評価の対象となります。テストなどの点数では測れない出願者の魅力を、課外活動で評価する大学も増えてきています。課外活動では、リーダーシップや特技、忍耐力、責任感、両立性などが評価されます。

③エッセイ

エッセイも入学の安否に影響を与える評価項目の1つです。エッセイは、高校の成績と同様に大学入学時に重要視される項目で、多くの大学が提出を義務付けています。大学に自分のことを知ってもらうために、自分の性格や勉強への熱意、経験などをエッセイに記すことで、審査官に人間として、学生としての魅力をアピールできます。

④推薦状

一部の大学では、推薦状を評価基準として採用しているところもあります。私立大学やエリート大学では特に重要視される項目で、2通の推薦状を要求される場合が多いです。推薦状は、高校の先生や大学の教授、部活の顧問など、自分の強みや良いところをよく知っている人に書いてもらうのが良いです。

⑤SAT

SATとは民間企業・団体が統括するアメリカの全国統一試験です。こちらは、日本の一斉入学試験とは異なり、複数回試験を受けるチャンスがあります。留学生の場合、成績やエッセイ、英語能力のスコアなどで入学安否を判断し、SATのスコアを提出する必要のない大学もあります。

⑥面接

入学前に面接を行う大学も少数ですが存在します。特に私立大学やアイビーリーグなどの大学では、面接を求められることがあります。キャンパスに出向いて行うタイプと日本からリモートで参加できるタイプがあります。面接官と出願者がお互いを知れる良いチャンスであり、自分をアピールする良い機会でもあります。

⑦英語力

英語を母国語としない国からの留学生は、英語能力を証明しなければなりません。事前にTOEFLやIELTSなどの試験を受けて、大学が提示する基準を超えるスコアを取得する必要があります。コミュニティカレッジは英語能力の基準が低めに設定されており、四年制大学は高めに設定されています。

高校の成績について

年次が上がるにつれて成績が向上している方が好評価

高校の成績について、全学年で好成績を維持していることが理想的ではありますが、年次が上がるに連れて成績も上がっている場合も大学側に好印象を与えられます。学年が上がることに成績が上がっていれば、勉強への意欲や努力などを高く評価してもられる可能性があります。

高校のレベルはエッセイ/推薦状で伝える必要あり

アメリカの高校は日本のように偏差値がありません。そのため日本のように高校の学力レベルが明白に分けられていないため、自分が通っていた高校のレベルを推薦状やエッセイで伝えることが大事です。進学校で悪い成績を取ってしまった場合、それをカバーする説明としても利用できます。

4年制大学に直接入学する条件目安

項目条件目安
GPA3.0~4.0
TOEFL IBT61~81
四年間の学費840万円~2400万円

四年制大学に直接入学する場合、合格するにはトップ大学ならできるだけ4.0に近いGPA、それ以外の大学なら3.0は欲しいところです。英語力は、TOEFL IBT 61-81、IELTS 5.0-6.0を基準とする大学が多いです。なお、資金面も審査対象になることがありますが、四年間の学費は、840万円から2400万円と大学によって差が出ます。

コミュニティカレッジに入学する条件目安

項目条件目安
GPAなし
TOEFL IBT45~61
四年間の学費260万円~312万円

コミュニティカレッジに入学する場合、高校のGPAの基準を儲けていない学校が多いです。英語力はTOEFL IBT 45-61、IELTS 5.0-6.0を求めるところが多いです。卒業までの二年間で260万円から312万円ほどの学費資金が必要です。なお、学費以外に滞在費/生活費で年間200万円程度が必要です。

出願時期の目安

アメリカの大学の出願時期は、どの学期から入学するかによって変わります。秋学期(9月)スタートの場合、その年の1-3月を締め切りとする大学が多いです。春学期(1月)スタートの場合、一般的に前年の8-9月が出願締め切りとなります。

コミュニティカレッジからの大学編入がおすすめ

アメリカの大学へ入学する場合、コミュニティカレッジに二年間通って、その後に四年制大学で残りの二年を過ごす留学スタイルが人気があります。コミカレから大学編入することで入学難易度が低く、費用も抑えることができるため、非常におすすめの方法です。

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英語力が足りない場合は事前に語学学校で「SAT」「TOEFL」対策をしましょう

もし英語力が足りない場合は、最初に語学留学をすることで対応できます。語学学校で英語力を高めながらSATやTOEFL対策をすることも可能なため、アメリカの生活に慣れていきながら、英語の準備も着実に進められます。

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まとめ

アメリカのどの大学に入学したいのか、どの留学方法を選ぶのかによって出願準備は変わってきます。英語力や自分の意思と相談して、出願準備を進めていきましょう。

呑村紗也佳

アメリカの語学学校・コミュニティカレッジを卒業。私にとって海外留学は、「それまで持っていた常識や当たり前を180度覆し、価値観がぐんと広がった」そんな経験でした。もともと留学や海外に興味はなかったですが、両親が留学を勧めてくれたのをきっかけにオーストラリア・カナダ・アメリカで計4年ほど海外生活を送りました。

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